『フローリングの床材は無垢材が1番!』はほんとう?
無垢材フローリングを採用するメリット・デメリット
注文住宅のプランを立てるとき、多くの施主が悩むのが床材になにを採用するかです。
床材には合板のフローリングの採用が多く、最近の建売住宅や分譲マンションはほとんど合板フローリングが採用されています。
ただ、せっかく注文住宅を建てるのだからと、無垢材のフローリングを検討する施主が多くなっています。
最近は、床材に檜を使った檜フローリングなどの人気も高まっています。
フローリングは一度作ってしまうと簡単に交換できる部分ではありませんので、無垢材が持つメリット・デメリットをしっかり把握したうえで検討したいものです。
無垢材フローリングのメリット
1.見た目がよくなる
無垢材には、合板では出せない独特の風味を出せるというメリットがあります。事実、無垢材が持つ温かみを気に入って採用する施主が非常に多くいます。
合板とは違って、材料ごとで凸凹や木目、色合いなど微妙に違うので、自然らしさが感じられます。
また、合板のフローリングは経年によって色褪せた感じになりますが、無垢材のフローリングは経年とともに見た目に味わいや深みが出てくるのも大きな魅力になります。
2.床が温かく肌触りもいい
無垢材の床は表面に温もりがあり、肌触りがいいことも魅力の1つです。
冬場などは暖房がついていなくても、スリッパなしで歩けるくらいの温かみが感じられるはずです。
ただ、普段からスリッパを履くことが習慣化している人にとって、このメリットはあまり実感できません。自分たちのライフスタイルがメリットを活かせるものかも合わせて検討してください。
3.木が持つ自然の香りを感じられる
無垢材からは木が持つ自然の香りが感じられます。無垢材を多用することで、部屋を自然の香りで満たせることも大きな魅力です。
床材だけでなく、壁の一部やテーブルなどにも無垢材を使用することで、さらに香りを強めて楽しんでいるという家庭もあります。
4.木が持つ再生力で多少の傷は気にならない
知らない人が意外と多いのですが、無機材のフローリングや家具は、傷づいた部分に水を少し垂らしておくことで、木が持つ再生能力によって多少の傷や凹みが治ることがあります。
ただし、塗装がしっかりされていると水分を吸収しないため、再生しないことが多くなります。
その場合は塗装面を研磨することで再生を促せるので、日頃からメンテナンスしておけばキレイな状態で長持ちさせることができます。
無垢材フローリングのデメリット
1.割れや反りが生じやすい
変形しやすいということが、無垢材が持つ最大のデメリットです。
経年とともに水分が徐々に抜け乾燥していくことで、木が変形してしまうことが多いのです。
床の変形が気になるのであれば、無垢材は採用しないほうがいいでしょう。
変形による割れや反りなどを許容できるか慎重に検討しましょう。変形の結果、フローリングの継ぎ目に隙間が生じることもあるので、それが我慢できない人にとって無垢材は向いていないといえます。
2.床鳴りが気になることがある
無垢材は合板に比べ床鳴りが生じやすいという特長があります。普段の生活の中で床鳴りが気になる場面もあるでしょう。
細かい音が気になる人にとっても、無垢材は採用しにくい床材といえます。
3.色ムラが出やすい
無垢材は材料ごとに色合いや木目が異なります。塗料ののり具合にも違いがあるため、多少の濃淡が生まれるのは仕方のないことです。
こういった違いを無垢材のよさと捉えられればいいのですが、色ムラが気になる人にとってはデメリットとなります。
4.建築費がかさむ
無垢材は合板に比べると材料費や塗装費が高くなります。予算との兼ね合いを考えて採用するかどうかを慎重に検討してください。
5.汚れやすい・傷がつきやすい
汚れやすい・傷がつきやすいというのも無垢材が持つ大きな弱点です。ミルクやジュース、ご飯などを落としてついた汚れが、なかなか落ちないことも多いでしょう。
こういった汚れは、合板のフローリングであれば拭けばすぐに取れることがほとんどですが、無垢材を採用した場合、なかなか汚れが取れずシミになってしまうこともあります。
実際、床がシミだらけになっている家庭も少なくありません。
無垢材フローリングを採用するときの注意点
1.床暖房に対応しているか確認する
無垢材の床はもともと温もりがありますが、それでも床暖房を設置したいと考える人もいます。床暖房を希望するのであれば、採用する材料が床暖房に対応しているか確認する必要があります。
ただ、床暖房に対応した無垢材は、無垢材本来のメリットが薄れているものも多いため、設計者とよく相談しながら床材を選んでください。
2.無垢材フローリングの施工実績があるか確認する
施工業者が、無垢材フローリングの施工実績を持っているかも確認すべきポイントです。無垢材はその性質上、反りや隙間が生じやすくなりますが、施工技術で軽減することは可能です。
これまで施工した工事で、大きな問題が生じているのであれば施工先としては適していないということです。
3.塗装の有無を確認する
無垢の材料は、塗装がされているものとされていないものに分かれます。塗装がされていない場合、当然塗装費を別途支払う必要があります。材料費、塗装費、施工費を総合的に見て、予算との兼ね合いを考慮する必要があるので注意してください。
4.サンプルを実際に目で確認する
無垢材をカタログだけで選んだ場合、仕上がりがイメージと全然違ったということも珍しくありません。可能であれば、サンプルを取り寄せて実際に目で確認したほうがいいでしょう。工務店や設計者によっては、実施に塗装した後の仕上がりを見せてくれることもあります。
ただ、無垢材の人気は年々高まっているため、選んでいる間に在庫がなくなる可能性もあるので、早めに判断したほうがいいでしょう。
無垢材には多くのメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。これらをよく見極めて、総合的に判断してください。