在来工法(木造軸組構造)|注文住宅の構造・工法
在来工法(木造軸組構造)
現在最も広く普及している在来工法は、伝統工法による技術を生かしつつ、仕口や継手といった接合部分に金物などを使用して補強し、壁を強固にしていった工法です。
伝統工法のように地震が起きた際にかかる力を骨組みで分散して柔らかく受けるのとは異なり、建物が地盤と一体になった固い耐震構造といえます。
厳密にいえば一つの工法を指しているのではなく総称として呼んでいるため、現在で最も地域的な差や技術レベルに大きな差がでる工法となります。
構造
鉄筋コンクリートの基礎のうえに木材の土台、梁、柱を組み上げて骨組みをつくり、そこに筋かいや火打ち材、金物などの補強材で強度を高めていく工法です。
最近では構造用合板やパネルを使い、ツーバイフォー工法の面の強さを取り入れた軸組工法の採用も増えてきています。
耐震性
鉄筋コンクリート造などの重たく硬い建物と比べると耐震性に劣るイメージがあるかもしれませんが、建物に加わる地震の力はその質量に比例するため、木材の比重が軽い割には強いという性質は耐震性の面において有利になります。軽くて柔軟性に富んだ木造の特徴を考慮し、きちんとした設計と施工を行うことで、鉄筋コンクリート造と劣らない耐震性を発揮します。
斜め材(筋かい)や構造用合板などを使った耐震壁と構造を補強する金物により耐震性を持たせるため、必要な量と耐震壁をバランス良く配置することが重要になります。
耐久性
鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比較して耐久性は短く、一般的には約30年で大規模な修繕が必要になるとされています。また、湿気に弱いという特性上、防湿・防腐・防蟻処理が必要になります。
施工性
職人の施工レベルで仕上がりに差が出やすい工法です。ただし、歴史が長いことに加え広く普及していることもあり、施工数はどの工法よりも多いといえます。
自由度
さまざまな敷地に合わせた設計が可能で、自由度は高いといえます。また、窓などの開口部の位置や大きさも比較的自由に設計することが可能です。
工期
規模や条件によって異なりますが、おおむね5ヶ月~6ヶ月で、2×4工法やプレハブ工法と比較すると長くなります。
コスト
他の工法に比べるとコストは安めになります。解体費も安価で、構造体も軽いため地盤への負担も軽く、地盤改良費などを抑えられるなどメリットが多く存在します。
増改築のしやすさ
他の工法に比べ、増改築の自由度は高いという特徴があります。