医院を併設した注文住宅
医院併用注文住宅を建てる
医院を併用した注文住宅を建てる際には、普通の住宅を建てるときにはなかったさまざまな規制がかかります。
医院を建築するとき特有の手続きもあるため、スケジュールは余裕を持って立てることが重要です。
設計から竣工までの期間で多少前後しますが、開業までにかかる時間はおおよそ20ヶ月~25ヶ月になります。
診療科目や診断内容は、全体の計画を方向づける重要なポイントになります。開業を決めたら、まずは医療方針や開業形態を決めましょう。
機器設備やスタッフの数なども事業計画に深く関わる部分ですので、早い段階で具体的な計画を立てておきましょう。
医院を建築する際は、特定の業者を紹介されることも多いのですが、複数の業者から話を聞き、それぞれの業者が持つメリット・デメリットを把握したうえで依頼する業者を慎重に選定しましょう。
また、医院開業にあたっては経営面、建築面、医療面など専門知識必要ですので、それぞれの分野における相談役を誰にするのかが計画の成否に深く関わってきます。
さらに、これらの専門家のマネジメントするポジションに誰を起用するかで、今後の計画がスムーズに進むかどうかが決まるので、人選は慎重に行ってください。
事業計画を立てる
医療方針と開業形態が決まったら、次は商圏とする地域を決める必要があります。地域ごとの医療ニーズを調べ、計画している医療科目や方針にマッチした地域を検討します。
候補地が見つかれば、診療圏調査を行い、開業後の来院患者数の予想を立てます。
事業計画書は融資を受ける際の重要な資料になるので、明確な根拠に基づいて作成する必要があります。
弁護士や税理士などの専門家や医療開業支援を専門とするコンサルタントに相談してみましょう。
設計と建設について
医院を立てる際には、普通の住宅を建てる際に関わる建築基準法、都市計画法などの規制以外に、消防法や薬事法などさまざまな基準を満たす必要があり、それに対応した各種書類を所定に機関に提出する必要があります。
例として、診療所開業届、保険医療機関指定申請、診療所開業許可申請、個人事業の開業届があります。
これらの規制をクリアしつつ、患者のニーズ、使い勝手に合った計画を綿密に立てる必要があります。
設計や施工をどの業者に依頼する際の重要なポイントになるのは、候補にあげた業者に医院建築の実績があるかどうかです。
医院建設では、バリアフリーにはじまり、電気容量やコンセントの位置、プライバシーの保護、特殊構造を持つ手術室など、他業種では使われることのない知識や経験が必要になります。
建築面以外にも、医療機器やインテリア、家具、サインなどの専門業者が関わることにもなります。
どの程度の機器を導入するかは、診療レベルや設計、予算にまで大きく関わってくる大きな問題です。
また、自宅との併用はオンとオフの切替、自宅部分と医院部分との距離感も重要なプランを立てるうえで重要な検討事項になります。