注文住宅の建築会社はこうして決めろ!
まずは事前の情報収集から
これから注文住宅を建てようとしている人は、インターネットや書籍などでさまざまな情報を収集していると思います。
注文住宅は施主の理想や希望を反映させるオーダーメイド住宅です。建築会社のいいなりになって「こんなはずじゃなかった。。。」と後悔しないためにも、情報を集めるのはとても良いことです。
事前にしっかりした知識を身につけることは、注文住宅づくりを成功させる必須条件です。
ここでは、注文住宅づくりを成功させるための業者選びのスポットをあてて、建築会社選びや契約時の注意点を詳しく解説したいと思います。
その会社、本当にあなたの「理想」を実現できる?
前述したとおり、注文住宅はあなたの理想を実現させるための「オーダーメイド住宅」です。
ただ、大抵の人にとって家づくりは人生で1回きりだと思います。それゆえに失敗すると大きな後悔が残ります。
後悔しない家づくりをするためにも、施工を依頼する建築会社は慎重に慎重を重ねて選定したいところです。
まずは、施工先となる建築会社の施工例をもとに自分のイメージと照らし合わせ、それに近い住宅の施工実績を持つ建築会社を探すところから始めてください。
ここで注意したいのは、表面的なデザインだけを見て施工の依頼先を安易に決めないことです。それだけで施工の依頼先を決めてしまうのは大きなリスクが伴います。
表面的な要素や金額だけでなく、「品質」に関わる目に見えにくい部分をしっかり見極める必要があります。
ハウスメーカーであれば、住宅の安定共有を図るため、基本的には仕様や規格があらかじめ決まっている場合が多くなります。
それゆえに、設計の自由度に制限がかかり、完全なフルオーダー住宅に対応しきれない場合があるというデメリットがあります。
ただ、制限から大きく逸脱しない範囲であれば、ハウスメーカーが提案する内容や仕様、コスト面など事前にある程度把握できます。
坪単価の把握も比較的簡単なので、これから建てようとしている住宅にどれくらいの費用がかかるか推測できるというメリットがあります。
反対に、注文住宅の建築を専門に請け負う会社は、「基本的な仕様や規格」を設けていません。
いわゆる「フルオーダー住宅」の建築を前提としているので、施主との打ち合わせを何度もおこなったうえで、希望に沿った住宅を完成させます。
あなたの希望を完全に反映させた注文住宅を望むのであれば、注文住宅を専門に請け負っている会社に依頼すれば、本当に自分が建てたい住宅を実現できるでしょう。
建築会社といっても、その会社ごとに得手不得手があります。
注文住宅づくりを成功させるためにも、事前に「この会社は自分の要望に沿った住宅をつくれるのか」をしっかり確認することを強くおすすめします。
業者の良し悪しを見極める2つのポイント
どの会社に施工を依頼するのであれ、仕事ですから施主の要望に対してはそれなりに対応してくれます。
しかし、それはどの会社でも当たり前のことです。その中から、本当にいい会社を見極める必要があります。
ここで、契約前に必ず確認しておきたい2つのチェックポイントをご紹介しますので、依頼先を選ぶときの参考にしてください。
1.施主の身になって親身にアドバイスしてくれるか
まず、建築会社の担当者からの提案やアドバイスが、本当に施主のことを考えたうえでされたものか見極める必要があります。
施主の希望に汲み取ったアドバイスをしながら、どのような住宅にしていくかという計画を建てるのは建築会社として当然のことです。
それに対して良い点だけでなく、悪い点もきちんと丁寧に説明してくれるかが、施主の立場に立ってのアドバイスかどうか見極めるポイントになります。
施主の要望に対して、なんでもかんでも「良いですね!」というだけの会社では、本当に良い住宅をつくることは難しいと思ってください。
コスト面や生活動線、採光や風通しなど、家づくりで考えるべきことは山程あります。それに対し、専門家としてより快適な住宅を実現するために、悪い点はしっかり指摘してくれる会社であれば、信頼できる会社と判断してもいいでしょう。
また、これから何十年と暮らしていくうえで、長期的な視点から計画の良し悪しについてアドバイスをくれるかも重要です。
そのときだけのことでなく、将来に対してのアドバイスをくれる会社であれば「施主や家族のことを本当に考えたアドバイスをしてくれている」と判断することができます。
注文住宅を建てるとき、どうしても「今こうしたいと思っている。こんな住宅にしたいんだ!」という要望だけが先に立ってしまいがちです。
しかし、現在の年齢や家族構成、ライフスタイルだけを考えて計画を立ててしまうと、高齢になったときや子供の独立、親との同居などで家族構成・ライフスタイルが変化したとき過ごしにくい家になってしまうかもしれません。
ただ、将来のことを考えすぎて今持っている希望を妥協しても、暮らしやすい住宅はできません。
打ち合わせをしっかり重ね、施主と二人三脚でよい家づくりを目指してくれる建築会社を探し出すことが、注文住宅づくりを成功させる第一歩といえるでしょう。
2.建築会社の技術力を見極めろ!
「自分の要望に沿った注文住宅を建築する技術力を持っているか」は、家づくりを成功させるうえで決して見逃してはいけないチェックポイントです。
ハウスメーカーの場合、住宅の安定供給を図るため、仕様や規格に制限があり、これは会社の規模が大きくなるほど顕著になります。
規格から大きく外れない住宅をつくるのであれば品質が安定しているため、安心して施工を依頼できますが、フルオーダー住宅への対応力という点では、工務店や設計事務所に遅れを取ります。
施主の要望を反映させる注文住宅づくりは、高い技術力はもちろん、幅広い対応力を備えている必要があります。
技術力の差がそのまま仕上がりに出やすいのが、自然素材で梁や柱をつくる木造住宅です。
この部分は、見た目だけでなく耐久性にも大きな影響がでるため、ある程度暮らし続けて初めて分かる「見えにくい部分」でもあります。
では、どのようにして建築会社の技術力を判定すればいいのでしょうか?
1番簡単な方法は「実績と施工現場を確認する」方法です。
会社設立からどれだけ立っているかも重要な判断材料です。長期に渡り家をつくり続けているということは、施主から一定の信頼を得ている証拠にほかなりません。
また、ホームページで施工実績を確認することで、その会社がこれまでどんな家づくりをしてきたか見ることができます。
実績の中に自分のイメージや理想に近い住宅があれば、施工依頼先の候補として考えていいでしょう。
さらに、可能であれば実際の建築現場を確認することをおすすめします。
もし、施工を依頼したいと思える会社が見つかったら、実際の建築現場を目で確認してみてください。
職人の技術力や建物の施工が適切にされているかを施主が判断することは難しいと思いますが、現場が整理整頓されているかといった部分から、仕事の丁寧さを推し量ることは可能です。
また、職人の家づくりに対する情熱や意気込みが感じられれば、なお良しです。
細かい部分まで理解する必要はありませんが、どんな素材を使っているか、それがどのように使われて住宅がつくられるかを見れば、その会社の仕様をある程度把握できます。
実際に現場を見ることで分かることはたくさんあります。建築会社に確認して、現場を見ることが可能なら、必ず足を運んで自分の目で確認してください。
建築会社と契約するときの注意点
1.「ひとまず」契約は絶対に避ける
建築会社と何度か打ち合わせをしただけで、なんとなくイメージができたから「ひとまず」契約しておこうという施主がいますが、絶対にやめてください。
最低でも、予算を上乗せすることなく後から見直しできる範囲くらい把握してから契約を検討するべきです。
残念なことですが、悪徳な建築会社は一定数存在します。とにかく契約を取りたい一新で、すぐに契約を勧めてくるような会社は要注意です。
このような会社と契約すると、必ずといってもいいほど後からトラブルが発生します。
金額的なトラブルだけでなく、場合によっては施主の希望を反映していない、イメージとかけ離れた住宅ができあがり、後悔ばかりが残ったという施主も実際にたくさんいるのです。
注文住宅はオーダーメイドです。満足のいく注文住宅を建てるには、事前に決めておくべきことがたくさんあります。
後で後悔しないためにも、素材や形状、サイズ、色など、事前に決められるものはきちんと決めたうえで契約するようにしてください。
また、建物本体だけでなく、外構工事や付帯工事、諸経費などを含めて総額いくらの予算が必要なのかを把握することも大切です。
費用だけでなく、自分でできることはなにか、建築会社になにを依頼するべきか、どのようなスケジュールで家が建てられるのかなど、契約前に情報を整理しましょう。
2.契約時に交わす書類のチェックポイント
建築会社と契約する際には、さまざまな書類に目を通す必要があります。
ここで、各書類でどんなことに注意してチェックすればいいかを説明するので、参考にしてください。
・請負契約書
請負契約書は施主と建築会社で、事前に取り決めた施工をおこなうことを約束するための書類です。
すべての項目をチェックするのは難しいですが、最低でも事前に取り決めた仕様、金額、支払い時期と回数、分割金額はしっかり確認してください。
・契約約款
工事中に発生したトラブルへの対処法を定めたものが契約約款です。
工事中の管理体制や工期が延びたときの対処、事故発生時の保険対応などさまざまな内容が盛り込まれています。
とても重要な内容が含まれているので、契約前にしっかり時間をつくって内容を確認しましょう。
・見積もり
事前に重ねて打ち合わせの内容に基づいて、建築費を算出したものです。
施主の希望が反映された施工内容になっているか、各項目ごとに金額が明記され、その金額に妥当性があるかなど、十分な時間をつくって確認してください。
・設計図書
見積もりと同様、契約の根拠となる重要な書類です。施主と建築会社の間で認識に食い違いがないよう、お互いにないようを確認し合いましょう。
不明な点があれば、納得にいくまで説明を求めましょう。そうすることで、後々起こる得るトラブルを事前に防ぐことができます。
・保証書
住宅は「住宅の品質確保促進法」と「住宅瑕疵担保履行法」によって、一定の保証がされています。
長期・短期保証の内容、免責事項についてしっかり確認してください。
・工程表
工程表は契約後に提示される書類ですが、全体的な工事の流れや、費用を支払うタイミングなどを含めた概要は把握しておいてください。
上で挙げたもののほか、メンテナンスの時期やアフターフォローの内容も把握しておくことをおすすめします。