地価はどうやって決まるのか
地価の決め方
地価は需要と供給のバランスによって変化します。しかし、土地がほかの商品との大きな違いは、すべての土地が「1点もの」だということです。
車やテレビなどは同じ規格で大量生産が可能ですが、土地はいくら人気があっても同じものを量産することはできません。1つ1つの土地がすべて「1点もの」であり、人気に比例して地価は高くなります。
また、土地には優れた資産という側面があり、地価は土地そのものの評価とは別に、取引の中で生じる売主の都合によっても変わってきます。
地域性
地価は、街のイメージや利便性、住環境など、「その地域の持つ地域性」によって異なります。交通の便や買い物の利便性がよく、環境に恵まれた地域は価格が高く、そうでない地域は価格が安くなります。これがいわゆる相場というものです。
特に人気の高いエリアでは、売る側が強気な値段を設定しても欲しい人がいるために、ますます価格が高くなっていきます。
その土地の持つ固有の特性
地価は、生活の利便性、方位、形、道路条件、高低差、その地域の建築法規など、その土地が固有に持つ特性によっても大きく異なります。
一般的には、駅から近く、間口が広く、形が整い、広い道路に面し、道路との高低差がない土地は高くなります。
また、同じ面積の土地であれば、より広い建物が建てられる方、つまり建蔽率や容積率が高い土地の方が価格も高くなります。
流通量
人の出入りが少なく売り出される土地が少ない地域では、相場そのものが成り立ちづらいために、たまに土地が売りに出されると高値で取引される傾向があります。
逆に流通量が多く相場が成り立ちやすい地域では、地価を形成する要素が互いに影響し合い、比較的こなれた価格で取引されます。
業者の動向
いい土地の情報は表に出る前にまず業者に回ります。個人の買主と違って、不動産業者やデベロッパーなどは決断が早い上に、ローンが通過しなかった場合に解約になるリスクがありませんので、売主から見れば多少値引いても魅力のある取引相手です。
業者がどの地域に魅力を感じるかの要素はさまざまですが、金利や土地政策によって建売業者が活動しやすくなる環境が整うと、元々人気のある地域の相場をさらに押し上げることになります。
売主の事情
地価は、その土地を所有している売主の事情によっても異なります。
急いで売却する事情のない売主は、少なくとも相場値で売却できるまで待とうとします。一方で、何らかの事情ですぐに手持ち現金が必要な売主の場合は、価格を安くしてでも早く売りたいという心理が働きます。