二世帯住宅を建てるときの注意点
二世帯住宅を建てる
今から住宅を建て替える、もしくは新たに住宅を購入することを考えている方の中には、両親も一緒に住める二世帯住宅を選択肢に入れている方もいらっしゃると思います。
二世帯住宅には金銭面でのメリットがありますが、デメリットとしてプライバシーや相続関係の問題、両親との同居を解消するときなどの注意点や問題点も存在します。
もし、あなたが二世帯住宅を検討しているのであれば、メリットとデメリットをしっかり把握しておく必要があるでしょう。
二世帯住宅のメリット・デメリット
二世帯住宅とは夫婦と子ども、そして夫婦の両親が同居するための住宅です。二世帯住宅の形としては、親子孫の三世代が同居する形が多くなります。
両親のことを考えて二世帯住宅にしようと考えている方でも、親子孫ではそれぞれの生活スタイルがあるので、よく考えてから二世帯住宅にしないと、生活を始めてから予想外の問題が起こる可能性があります。
せっかく二世帯住宅を建てた後に後悔しないためにも、メリットとデメリットを把握してから検討・計画を立てることをお勧めします。
メリット①経済的な問題
二世帯住宅の経済面でのメリットとして、『建築費抑制』『相続税の節税』があります。
建築費抑制については、建築費用と土地取得費用を抑えることが出来ます。
当然のことですが、家を2つ建築するよりも1つにした方が圧倒的にかかるコストは安くなります。両親がすでに持っている土地に家を建てる場合には土地の取得費用も必要ありません。
さらに相続税での節税のメリットもあります。
2015年からは相続税の控除額縮小などによって相続税の支払い対象となる方が大幅に増えるていますが、親と同居している場合などは「小規模宅地等の特例」を利用することができ、土地評価額を8割減とすることが可能になるのです。
さらには小規模宅地等の特例が2015年より上限面積が330平米に引き挙げられ、内部構造で行き気ができる前提が不要になるなど使いやすく変更されました。
一昔前は同居型でないと適用されませんでしたが、同じ二世帯住宅でも内部で行き来できない分離型(完全分離型)でも適用可能になりました。
完全分離型であれば、二世帯住宅で問題となりやすいプライバシーの問題もずいぶんと緩和されることになるはずです。
メリット②生活コスト削減と孫の面倒
二世帯住宅を建てることで生まれるメリットは、経済面に限ったものだけではありません。『生活費』と『親と孫の触れ合い』があります。
食事や日常生活を一緒に過ごすことで、人数が少ないよりも多い方が日常生活にかかる一人当たりのコストを削減できることが可能なのです。
また親と孫の触れ合いについては、両親がいつでも孫と遊べることと、共働きをしているのが当たり前な現代で子どもの面倒を見てもらえる祖父母の存在はありがたいものとなるでしょう。
デメリット①プライバシーの保護
自分の生活スタイルを持っている大人が複数人で同居をすることで、様々な問題が発生する可能性があります。
二世帯住宅で暮らすことは、義理の両親(または息子・娘)と生活することを意味します。これは双方においてストレスになることは少なからず発生をするでしょう。
このことから以前は同居方でなければ相続税上のメリットは発生しませんでしたが、2017年の今では相続上のメリットが完全分離型でも発生するようになりましたので、コストは多少高くなりますが完全分離型もひとつの選択肢として検討しやすくなっています。
デメリット②売却
二世帯住宅を何かしらの理由で売却をする場合には、同居人である両親の同意が必要となってしまいます。これは完全分離型の場合も同様であり、また二世帯住宅は需要も多くはないので売却するときには不利な条件になる可能性があります。
また兄弟がいる場合には両親の資産を相続するときにトラブルとなる可能性もゼロではありません。
特にトラブルが起きやすいのが、両親の資産のほとんどが二世帯住宅とその土地にある場合です。
この場合は兄弟が不満を持たれないために、金融資産など他の資産を相続として残しておく配慮が必要になります。
これらの内容は二世帯住宅を計画する段階で対応策に考えておく必要があります。