注文住宅づくりに失敗しないための設備・建材選びを
注文住宅の設備・建材選びで失敗しないための10のポイント
注文住宅の性能や暮らしの快適さを決定づける大きな要因は構造や間取りですが、ほかにもどんな設備や建材を取り入れたかも大きく影響します。
家づくりの過程では、数多くの設備や建材を検討し選択する必要があります。
ここで、設備や建材選びで失敗しないための知識や考え方を紹介しますので、参考にしてみてください。
1.ライフスタイルを考慮した設備や建材選びを
注文住宅で使われる設備や建材の種類やバリエーションは実に多彩で、仕様はバリエーションは各メーカーによっても異なります。
キッチンやバス・トイレなどの水まわりはもちろん、窓や玄関のドア、屋根材や外壁材、内装材・照明・収納まで家を一棟建てるのに使われる設備や建材は驚くほど多いのです。
標準的な仕様はハウスメーカーや工務店などの依頼先で変わりますが、ある程度は絞り込まれていますし、専門性の高い部分は依頼先から提案されることもあります。もちろん、施主が率先して決める部分も多くあります。
いずれにしても、最終的な決定権は施主にあるので、使用する設備や建材の概略をよく理解しておくことが大切です。
そのうえで、家族構成やライフスタイル、好みなどに合わせて取り入れたい設備や機能をピックアップし、優先順位を明確にして選択することが設備選びに失敗しないポイントになります。
2.設備や建材は注文住宅の寿命を左右することを覚えておく
建材を選ぶときに考慮したいのは、どの建材を選択すれば注文住宅の寿命を延ばせるかです。屋根材や外壁材は、風雨などの厳しい自然環境から住まいを守るための重要な部分です。構造躯体の耐久性にも深く関わる部分なので、長期的な視点を持って選択したいところです。
広い面積に用いられる屋根材や外壁材は、なにを選ぶかで費用が大きく異なります。だからといってイニシャルコストだけ見て選択するのは早計というものです。将来かかってくるだろうメンテナンス費用なども考慮して選択するべきしょう。
窓や玄関扉などの開口部、断熱材などもそれらを考慮して選びたい設備になります。
3.環境配慮や省エネルギー性能も検討したい要素
建物本体の性能に加え、設備や建材も環境に配慮した省エネルギー性能が高いものがよく提案されています。節水や節電機能に優れた機器や、エネルギー効率を高めた給湯システム、太陽光を利用した設備もずいぶん身近なものになりました。
これらの性能をしっかり把握して積極的に取り入れることも、これからの家づくりの大切なポイントになってくるでしょう。
4.資金計画への影響を考慮した選び方を
家づくりの費用の一般的な内訳は、以下のとおりです。
・本体工事→75~80%
・別途工事→15~20%
・諸経費→5~10%
本体工事に関わる電気・給排水・衛星・給湯工事・屋内外の仕上げ工事・建具工事はもちろん、別途工事に含まれる冷暖房などの空調工事・照明工事・外構工事などは、取り入れる機器や工事内容で費用が大きく異なります。
高価なシステムキッチンやバスルームなどを選択すれば、当然費用は大きくアップします。外構工事でも、車を複数格納できる大規模な車庫を設けるなどすれば多額の費用が必要になります。
どうしてもこだわりたい設備があらかじめ決まっているなら、他の部分は妥協するなどして予算をオーバーしないように計画を慎重に立てるようにしてください。
5.どのような熱源を確保するかも重要
住宅を建てる土地やエリアなどの条件でも異なりますが、具体的な設備を検討する前に、どんな熱源を選択するかも重要になります。ガス機器はもちろん、電化住宅向けの設備も数多く登場しており、それぞれのメリットを生かした商品開発が進んでいます。
また、熱源と同時にどんな給湯システムを取り入れるかも検討が必要です。選択する給湯システムによっては、床暖房や太陽光発電システムなどと組み合わせることも可能なので、採用する設備とのトータルプランニングを慎重に考えていきたいところです。
6.こだわりたい設備も考慮した依頼先選びを
自分のこだわりを反映した注文住宅を望むなら、ハウスメーカーや工務店が標準採用している設備や建材以外を使用したいという場合もあるでしょう。
たとえば、珪藻土や無垢材など自然素材を多く取り入れた住宅を建てたいのであれば、依頼先にと考えているハウスメーカーや工務店に施工実績があるかを確認し、可能であれば施工例を見せてもらいましょう。
基本的な要望は大抵のハウスメーカーや工務店は応じられると思いますが、それぞれに得手不得手はありますし、積み上げてきた実績も異なります。
特別な要望やこだわりがあるのなら、それらにしっかり応えられる建築会社への依頼をすることは必須となります。また、施主支給を考えている場合も、それぞれの会社がどんな対応をしてくれるのかを事前に確認しておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
7.構造や間取りに関わるアイテム選びはなるべく早めに
設備や建材選びに失敗しないためには、それらを選択するタイミングも重要になります。
基本的には、本体工事や躯体、間取りに関わるものから優先して検討しましょう。たとえば窓や玄関などの開口部の位置や大きさ、キッチン・バス・サニタリーなど水まわりのレイアウトやプランニングは早めに希望を伝えておきましょう。
また、駐車場やデッキ、テラスなどの外回りも建物の間取りとあわせてプランニングしないと、後々使いづらくなることもあります。間取りと設備・建材、外回りの設備は並行してプランを立てることが重要になります。
8.契約までに大体の構想を固めておく
設備や建材は、契約までのすべて決まっていることが理想的ですが、現実にはなかなか難しいでしょう。依頼先にもよりますが、費用や間取りに影響しないものであれば、ある程度の融通がきく場合もあります。
たとえば、キッチンの扉の色などは、発注まであれば変更できる場合もあります。いつまで決めればいいかのタイムリミットは設備によって異なるため、事前に担当者に確認しておきましょう。
工事途中での変更はスケジュールや費用に影響が出る場合が多くなるので、しっかりとタイムリミットを守っておきたいところです。
9.実物をショールームで目で確認し、実際に触れてみることがとっても大切
設備・建材選びで失敗しないためにも、ショールムを上手に活用したいところです。カタログや写真だけでデザインや色を細かく確認することは難しいですし、使い勝手は実際に触れてみないと分かりません。
最近のショールームは、設備を展示するだけでなく、空案提案などで実際の暮らしがイメージすやすいように工夫されています。性能実験や実際に使うことができるコーナーもあるので、積極的に活用していきましょう。
10.メンテナンスや取替えなど、将来のコストも考慮した設備・建材選びを
住宅は完成したその日から老朽化が始まります。厳しい自然環境に耐え、建て主の暮らしを快適にするという役割を果たせば、それなりに劣化していくのは当然のことです。
それぞれの設備が将来どんなメンテナンスや修繕、取替えが必要で、それらがどんなタイミングで訪れ、どれくらい費用がかかるかを事前に把握しておくことは非常に重要です。
住宅はつくったら永遠に残るものではありません。どう維持していくか、それにはどれくらいの手間や費用がかかるのかを把握したうえでプランを立て、将来必要な費用を確保できる余裕ある住まいづくりをしたいものです。