注文住宅で駐車場をつくるときの10のポイント
注文住宅に駐車場を付けるときの注意点
駐車場を備えた注文住宅を建てるとき気を付けたいのが、十分な駐車スペースを確保できるかや、スムーズに出入りできるかです。
ここでは、駐車場をつくるときの注意点について詳しく解説していきたいと思います。
1.所有する車によって必要な広さは異なる
現時点で所有する車を駐車できるスペースを確保するのは当然ですが、将来において家族構成が変化に合わせて大きな車に乗り換える可能性があるなら、それも考慮してスペースを確保する必要があります。
駐車場のスペースは、つい今乗っている車に合わせて考えがちですが、将来のことも考えておかないと、駐車スペースがないばっかりに、本当に乗りたい車を購入できないということもあります。
さらに、駐車に必要なぎりぎりのスペースで駐車場をつくってしまうと、ドアの開閉が難しくなり、最悪の場合、開閉の際に外壁や車のドアを傷める危険もあるので、ある程度の余裕をもったスペースを確保しておきましょう。
2.車の出入りをスムーズにおこなえるか
駐車所は、単に駐車に必要なスペースを確保すればいいものではありません。車の出入りをスムーズにできるかも抑えておくべき大切なポイントです。毎日車を利用する家庭であればなおさらです。
車の出し入れは、駐車場に面した道路の幅によっても大きく変わります。前面道路の幅が4mという住宅地が多いですが、駐車口が狭いと切り替えしが必要になります。
道路と敷地の境の塀や植栽をなくすなどして、駐車場に車を入れやすいような工夫をしておきましょう。
また、できればバックで駐車したい場合には、縁石を設置することで事故を未然に防ぐことができます。
狭小地に駐車場をつくる場合は、隣家との境界部分の塀をなくして駐車スペースを共有してスペースを確保する方法が取られることもあります。
3.車以外に駐車場に保管するものがあるかどうか
駐車場に車以外のものを置いておくこともあるでしょう。例えば、タイヤやオイル、洗車道具などのメンテナンス用品を駐車場に置きたいのであれば、それらを保管するスペースや収納が必要になります。
子供がいる家庭では自転車を置く場合もあるので、車を駐車した状態でも自転車を出し入れしやすいか、またその逆のパターンも考慮しておきましょう。
4.洗車スペースをつくるかどうか
自分で洗車をしたいのであれば、そのための広いスペースが必要です。車以外の保管物がある場合は、洗車のときに水がかからないよう、両者の位置関係を確認しておくことも大切です。
また、洗車の際に注意したいのが隣家との関係です。洗車したときに隣家に水が飛んでしまうと迷惑ですし、近所トラブルにも発展しかねません。
洗車する際には、隣家に迷惑をかけないよう十分に配慮してください。
5.死角をなくして安全性を確保する
駐車場のプランニングは、防犯面も考慮したいところです。駐車場の形状によっては屋根、壁、ポール、駐車してある車などで道路側からの死角が敷地内にできてしまいます。
玄関や勝手口が道路側から死角になっている住宅は、泥棒に目を付けられやすいといわれています。完全に死角をなくすことは難しいですが、家族の安全を守る意味でも、玄関など侵入口になりそうな箇所は死角にならないよう工夫すべきでしょう。
6.駐車場の床材の選定
駐車場をつくる土地の地盤が弱い場合、土間コンクリートに鉄筋を組まないと沈下や凹みが生じる恐れがあります。施工会社が地盤に合せて必要な施工をしっかりおこなっていか確認しておかないと、後で大きなトラブルになる可能性があります。
また、床をタイルで仕上げる場合、タイルそのものが車の荷重に耐えられるかも必ず確認して下さい。完成時の見栄えを優先した結果、床材のタイルがすぐに割れてしまっては元も子もありません。
土間コンクリートは多くの駐車場で採用されていますが、タイヤ跡が残りやすいという弱点を持ちます。浸透性アスファルトであればメンテナンスは楽になりますが、デザイン性で劣っているため敬遠されがちです。
デザイン性、耐久性、安全性など優先するものを整理してから慎重にプランニングをおこなうことが大切です。
7.駐車場に屋根を設けるか
駐車場に屋根を設けておけば、車を雨風から守れる、雪が降る地域では積雪時の雪かきの負担が減るなど多くのメリットを得られます。
もちろん費用が高くなるというデメリットはありますが、それに目をつむってでも屋根を希望する人はたくさんいます。
駐車場の屋根にはさまざまなタイプがありますが、割れにくさを優先するならポリカーボネイトがお奨めです。紫外線もカットするので日焼けによる色褪せや劣化を抑えることもできます。
価格を最重視するならアクリルですが、耐久性、耐用年数はポリカーボネイトに遠く及びません。
駐車場の屋根の設置は原則として建築面積に影響が出るため、建物全体の面積との兼ね合いを考えたうえで検討してください。
8.段差の問題をどうするか
傾斜地では、住宅の敷地が道路より高いとこうことがよくあり、車の出し入れの利便性を考えて、駐車スペースの敷地を道路と同じ高さに掘り下げることもあります。
敷地と道路の間に段差ができる場合は、その段差をどう解消するかも考えなければいけません。
住宅によっては道路より駐車スペースが低くなることもあります。道路より駐車スペースが低い場合、雨水の排水計画を考える必要があります。
ゲリラ豪雨などで車が浸水してはいけませんので、設計者が排水についてどう考えているか確認しておきましょう。
敷地と道路との段差が大きい場合、1階部分や地下を車庫にして、その上に住宅を載せる桜蘭もあります。
車庫を鉄筋コンクリートでつくるのであれば十分な強度を得られますが、コストが上がるというデメリットも生まれます。
9.シャッターを設けるかどうか
駐車スペースの入り口にシャッターを設ける場合は、利便性を重視した電動シャッターを採用するのか、価格面を重視して安価なものを採用するかの判断が必要です。
特に、電動シャッターは故障したときの修理費が結構高いので、メンテナンスや維持にかかる費用もよく考えて採用するか決めましょう。
10.駐車場跡地の利用方法を考えておく
今は車に乗っていても、加齢によって車を手放す人はこれから確実に増えていくでしょう。
年齢的に車を手放す時期が遠いものでなければ、今のうちに不要となった駐車スペースの利用方法を考えておきましょう。
家庭菜園として利用する人もいれば、離れや倉庫を建てる人もいます。
どれが一番よい利用方法かを、早いうちから検討しておくことをオススメします。
まとめ
いかがですか?駐車場1つとっても、考えることはたくさんあります。
全体の計画を立てる際に考えることはそれこそ山のようにありますが、その1つ1つの要素をしっかり考えることが「理想の注文住宅」を手に入れるために欠かせない作業です。
大変ですがぜひ頑張ってもらいたいと思います。