設計事務所による注文住宅の実施設計
注文住宅の実施設計
実施設計とは、基本設計で決めた間取りを建築物として成立させるために、設計事務所がより詳細な図面を描く作業を指します。
基本設計が完了しないと、この実施設計の作業に入ることはできません。実施設計にかかる期間の目安はおおよそ2~3ヶ月になります。
建物の細部は、入居後の使い勝手に直結する重要な部分ですので、要望があれば遠慮なく伝えるようにしてください。
打合せ事項は設計事務所によって異なりますが、メインとなるのは下記の内容になります。
・設備機器(キッチン、バス、洗面)
・外部仕様(屋根材、外壁材、扉、サッシの種類と色)
・内部仕様(床材、壁紙、ドア、ドアの種類と色)
・収納、造作工事
・コンセント
建築家は標準的な仕様については最初から予算に入れ込んで設計しているはずですが、特に設備に関しては通常よりグレードの高いものを選択すると、当初予算を簡単にオーバーしてしまいます。
打合せの際には、要望がどれくらいコストアップにつながるか建築家におおよその概算を出してもらいながら、慎重に選択してください。
この時点で予算をある程度考慮しながら計画を進めると、見積もり調整の期間を短くすることができます。
また、設計期間は必ずと言っていいほど要望が変化したり、東証の予算が変わったりするものです。
基本設計で決めていた部分でも変更したい点が出てくるはずなので、その場合は建築家にしっかり相談してください。
ただし、状況によっては計画期間が延長されたり、追加の設計費が必要になる場合もあるので、そうしたデメリットも考慮したうえで計画を変更するかを慎重に決めてください。
たた、実施設計が詰まってくると、建築家が建築確認の申請を行ったり、複数の工務店に相見積もりを依頼します。
見積もりを依頼する工務店は通常2~3社程度で、どの工務店に見積もり依頼をするかは建築家と相談した上で決定します。
設計事務所の施工を受ける意思や技術力を持った工務店は限られるので、建築家から紹介を受けた工務店の中から選ぶのが一般的です。
自分の知り合いの工務店に依頼する場合には、設計事務所の施工を受けることができるかあらかじめ確認しておきましょう。
ただし、普段から設計事務所の施工を行っていない工務店の場合は、設計事務所が設計監理を行う際の仕事内容を理解しておらず、建築家は簡単なプランを作成するだけで、工事は工務店主導で行うと思っていることがあります。
そのため、自分の知り合いの工務店に依頼する場合は、建築家は設計だけでなく「監理」まで行うことを必ず伝えておいてください。