子供部屋の「広さ・間取り・安全」について、超真剣に考えてみました。
お子さんがいる、あるいはこれから子供が生まれる家庭では、注文住宅を建てるさいに当然「子供部屋」のことも考えるはずです。
そのときに悩むのが、「子供部屋はどれくらいの広さがいいのか」ということ。
せっかく子供部屋をつくるなら、広い空間でノビノビ過ごせる部屋にしてあげたいと子供を持つ親なら考えるのではないでしょうか?
ただ、そうはいっても居住スペースの問題で十分な広さの子供部屋をつくるのが難しい場合もありますし、そもそも子供にそんな広い部屋が必要かという疑問も浮かんできます。あえて広い子供部屋をつくる必要はないと考える家庭もあるはずです。
広い子供部屋と狭い子供部屋それぞれのメリット・デメリットを確認しながら、適切な広さはどれくらいなのかを考えてみたいと思います。
「ノビノビできる?」広い子供部屋のメリット・デメリット
子供が窮屈な思いをせず、ノビノビと自由に過ごせる。これが子供部屋を広くしたときのメリットでしょう。
たくさんの本やオモチャを置けますし、読書やオモチャで遊ぶスペースも確保できます。遊びのバリエーションが増やせるのも嬉しいですよね。
学校の友だちを招いて一緒に宿題をしたり遊んだりと、楽しい思い出づくりもできるでしょう。
習いごとや塾に通うなら、そのための道具や学習用具も子供部屋に置いておけます。
このように、広い子供部屋にはたくさんのものをしまっておけるというメリットがありますが、それがそのままデメリットになることもあります。
お子さんが小さいうちは、広い子供部屋を1人で片づけるのはかなりの重労働になりますし、片づけが苦手なお子さんだと、本やおもちゃなどが出しっぱなしでいつも散らかっている!ということもあり得ます。
せっかく広い部屋をつくってあげたのに、出しっぱなしのものがスペースを占領している・・・では、親としても複雑ですよね。
こんなことなら狭い部屋にして、その分リビングやダイニングを広げておけば良かったとか思っても、後悔先に立たずになってしまいます。
そんなことにならないためにも、部屋の片づけがお子さんに大きな負担をかけるうちは親が定期に子供部屋の様子を確認し、ときには手助けをしながらお子さんに「部屋をいつもキレイに片づけておく」ことの大切さを教えてあげましょう。
部屋を片付けて、いつもキレイにしておく習慣が幼いうちに身につけば、成長したときに親がいちいち口を出さずとも、自分で部屋を片付けるようになるはずです。
お子さんが2人以上いる、もしくはその予定があるご家庭では、最初は広い部屋に一緒にして、思春期になったり自立心が芽生えたりする年齢になったときに、子供部屋を分けるという家庭が多いようです。
そういった予定がある場合、最初に子供部屋を作る時点で将来部屋を分けられる設計にしておくと、リフォームやリノベーションをする必要がなくなります。
具体的には、部屋を2つに分けても家具や寝具を置けるだけのスペースを確保しておく、ドアや窓を2つにしておくなどです。
部屋の真ん中に仕切り壁を設置するだけで独立した部屋にできるように、左右対称の部屋にしておく設計が1番手っ取り早い方法でしょう。
仕切った後に同じ間取りになるようにしておくと、部屋を分けたあとに「あっちがいい」「こっちがいい!」とお子さん同士で揉める心配もしなくて済みます。
また、子供だけでなく親自身の状況も考えて子供部屋の広さを考える必要があります。特に、共働きをしていて両親の帰りが遅くなりがちな家庭では注意が必要。
2世帯住宅であれば祖父母世帯にお子さんの世話をお願いすることができますが、そうでない場合は親が帰ってくるまでお子さんは1人で過ごすことになります。
広い子供部屋で1人ポツンといることが寂しいと感じるときもあるはずです。寂しい時間が増えることは、子供の精神面を考えてもあまり良い状態とはいえないでしょう。
寂しさを紛らわすためによくない友だちと付き合い始め、部屋が放課後のたまり場になるといったこともあるようです。
子供に広い部屋を与える場合には、肉体的・精神的な配慮・フォロー・責任感を親も持つ必要があることは覚えておいてください。
子供部屋が狭いなら、ほかにリラックスできる空間をつくる
部屋が狭いと子供が窮屈な思いをするのではと思われる親御さんは多いかもしれませんが、意外とそうとは限りません。
男の子なら押入れやクローゼットを秘密基地にしたり、女の子なら人形などで部屋をかわいく飾りつけたりと、子供は大人が思っている以上に「楽しみ方や遊び方」を見つけるのが上手なものです。
それを考えれば、子供にとって狭い部屋は案外居心地のよい空間かもしれません。
片づけも簡単なので、最初のうちはアドバイスしてあげて、上手に片づけられるようになったら子供だけでさせれば、普段から部屋をキレイにしておく習慣が早く身につきます。
また、子供部屋が狭いと、子供がリビングで過ごす時間が長くなる傾向があります。
家庭によっては、宿題や勉強もリビングでというケースもあります。自然と親子でのおしゃべりや子供の勉強を見てあげる機会が増え、よいコミュニケーションになっているようです。
デメリットとなるのは、やはり狭い部屋特有の圧迫感です。もともと狭い部屋に収納や寝具を置くので、さらに圧迫感が増してしまいます。
狭い部屋では友だちを呼びにくいからと、広い部屋をほしがることもあるかもしれません。そんなときはリビングを遊び場として使わせてあげるなどの配慮が必要です。
また、間取りやインテリアを工夫して、子供にとってリラックスできる空間にしてあげることも大切です。
必ずリビングというわけではありませんが、子供部屋が狭い場合は、家の中に子供部屋以外でリラックスできる空間を用意してあげましょう。
結局、どれくらいの広さがいいの?
結論からいうと、子供部屋広さは4.5畳あればOKといわれています。
この4.5畳というのは部屋全体のことではなく、ベッドや勉強机、収納などの家具を置いてあまったスペースのことです。部屋全体の広さは6畳くらいでしょうか。
このくらいが子供部屋に適した広さといわれています。
もし、6畳以下の狭い部屋であれば、家具のレイアウトで部屋を広く見せる工夫をしてみましょう。
1番簡単な方法が、家具のレイアウトで空間を正方形に近づける方法。長方形の空間に比べて、圧迫感を感じにくくなります。
ロフトベッドなどを利用して、家具を置くスペースをコンパクトにまとめるという方法もあります。
子供部屋は広くても狭くてもメリット・デメリットが生まれます。最終的には、お子さんの性格に合わせて臨機応変に決めるしかありません。
1人の時間を大切にしたがる子供であれば、多少狭くてもプライベートな空間を確保してあげる必要がありますし、活発でいつも友だちと一緒、放課後もよく友だちが遊びにくるようなら、少し広めの部屋があればいいかもしれません。
子どもの性格も一人ひとり違うものです。それを考慮しつつ、どんな子供部屋なら過ごしやすそうかを考えてあげてください。
兄妹がいるときの子供部屋はどうする
ここまでは子供が1人と仮定して子供部屋の広さを考えてきましたが、兄妹が2人以上いる家庭の場合はどうすればいいでしょうか?
兄妹が複数いる場合、子供部屋を1人ずつ用意するのは、予算的にも空間的にも大変です。
完全に個室にすると、子供が独立して子供部屋が空いたときに、どんな使い方をするかという問題も出てきます。
おすすめなのが、1つの部屋をいくつかに仕切る方法。仕切で部屋を分けておけば、子供が独立して家を出たあと、もとの1つの大きな部屋に戻すもの簡単です。
仕切り方も、仕切り壁を設けたりカーテンで仕切ったりといくつか方法があります。
それぞれのメリット・デメリットを把握して、どうやって仕切ればいいかを考えていましょう。ついでに、それぞれのデメリットを解消する方法も紹介するので、参考にしてみてください。
「完全個室は使い勝手が悪い」はホント?
子供部屋を完全に個室で分けることで、子供の自立心を育てることができます。
部屋の片づけや学校の準備・予習・復習を1人ですることで、自立心はもちろん、責任感などの成長が促されます。
これは子供が成長するうえで大変意味のあるメリットとなりますが、デメリットとして壁が多いため光が入り込みにくい、風通しが悪くなる、親子のコミュニケーションが不足しやすいという点が挙げられます。
子供が自分の部屋を大切にするのは悪いことではありませんが、部屋に閉じこもりがちになるのは良くありません。子供部屋を個室にするときは、子供とのコミュニケーションを意識して増やしていく必要があるでしょう。
また、完全個室では子供が増えたときの対応が難しい、子供が独立して空になった子供部屋の使い道に困りやすいというのも、よくいわれるデメリットです。
その点、大きなワンルームを仕切って使えば、プライベートな空間を確保できるうえ、子供部屋が空いたときに仕切を外して簡単にワンルームに戻すことができます。子供を増えても仕切りを増やすだけで済むので、対応に困ることもありません。
使い勝手の面から考えたら、広い部屋を仕切りで分けるほうが、なにかと使い勝手はよいといえるでしょう。
ここから、子供部屋を仕切る方法とそれぞれのメリット・デメリットを考えたいと思います。
1.カーテンやブラインドを利用して仕切る
カーテンやブラインドで部屋を仕切る場合、費用は安く施工時間も短いというメリットがあります。子供が増えてもコストと時間がかからないので、比較的手軽に部屋を仕切ることができます。
取り外しも簡単なので、独立するか1人暮らしを始めるなどで子供部屋を使う人数が変わっても、簡単に仕切り方を変更することができます。
壁を使って仕切る場合に比べ、ある程度の採光や通風も確保できるでしょう。
デメリットとして、視覚的には仕切られていても、音や気配まではシャットアウトできないという点が挙げられます。
特に防音に関しては期待できないでしょう。部屋で音楽を聴くときはヘッドホンなどをつけるなど、ほかの兄妹への配慮が欠かせなくなります。
ほかの兄妹が寝ているときには、電話をするために部屋を出て外で話さなければいけない場面もあると思います。
また、カーテンやブラインドはあくまで簡易的で薄い仕切りです。性別の違う兄弟の場合は、思春期に入る頃には仕切としては不十分になる可能性もあります。
2.家具を仕切り替わりになるように配置する
子供部屋を仕切る方法として、もっとも手軽なのが家具を仕切り代わりになるように配置する方法です。
わざわざ仕切りを用意しなくてもいいのがメリットで、家具のレイアウトを工夫して仕切りにするのです。
たとえば、本棚のついた勉強机を向かい合わせにして相手を見えなくすると勉強に集中できるようになります。
程よくコミュニケーションをとりつつ、プライベートな空間を確保できるので、自分の空間を自分で管理するという自主性も身につきます。
デメリットは、家具の配置によっては子供部屋のスペースをムダに圧迫してしまう点。子供が増えたら家具を買い足す必要もあり、手軽さという点でもカーテンやブラインドを使う場合よりも劣ります。
仕切るための家具は1つにしてあとは共有するなどして、プライベートな空間を広くするための工夫が必要になります。
3.2段ベッドで仕切る
2段ベッドやロフトベッドで仕切る方法は、ベッドを置くだけでそれぞれの空間を確保できるというメリットがあります。この方法は狭い部屋を仕切るときにおすすめで、兄妹のスペースが明確になります。
ただし、2段ベッドにするとベッドを置くスペース+ほかの家具を置くためのスペースが必要になるので注意してください。
ロフトベッドなら、ベッドの下に机を置くことができるので、ベッドの下をプライベートな空間にすることができ、スペースも効率的に使うことができます。
ロフトベッドを仕切として利用する場合、背の高い家具を置くために部屋が暗くなりがちなことがデメリットとなります。狭い部屋なら圧迫感から、さらに部屋が狭く見えてしまうでしょう。
部屋が暗いと精神的に陰うつになりがちで、視力低下にもつながる可能性があります。間接照明やスタンドライトを地用して、部屋を明るく見せる工夫が必要です。
また、2段ベッドやロフトベッドを利用する場合、子供が増えるとベッドを追加する必要があり、仕切るのが難しくなります。
2段ベッドやロフトベッドを利用するときは、子供を何人つくるかも考えておく必要があるでしょう。
子供部屋の仕切りは、子供の年齢や人数、性別によって臨機応変に変えていく必要があります。
家具を買い揃えるにもそれなりにコストがかかります。子供が小さいうちは、カーテンやブラインドを使った仕切りからスタートしてみてはどうでしょうか。
子供が増えたり、成長してプライベート空間の確保が必要になったりしてから、子供の性格や兄弟の関係に合わせて臨機応変に対処していくようにすればいいと思います。
子供部屋は「明るくて安全」が1番。アレンジはオシャレはほどほどに
10数年前の子供部屋をいえば、勉強机と寝具、本棚やおもちゃ箱などの必要最低限なものを揃えた、どちらかといえばシンプルな空間でした。
しかし最近の子供部屋は実に多彩で、雑誌やインターネットを見てみるとリビング・ダイニングにも負けないほどオシャレでアレンジの効いた子供部屋がたくさん載っています。
もちろんこれは悪いことではありませんし、親としてよりオシャレで可愛らしい部屋を子共につくってあげたい気持ちは分かります。
ただし、それも「明るい・安全」という条件をクリアしていればこそ。遊びはそれをクリアしてからにしておきましょう。
まずは、どうすれば明るく安全な子供部屋をつくれるかを考えて間取り・プランをつくっていきましょう。
1.子供部屋をつくるときの基本的な考え方
子供部屋をつくるとき、1番に考えるべきことは「明るい部屋」にすることです。アレンジや遊びはあくまでその次に考えることです。
そもそも子供部屋は、子供や宿題や読書、着替えなどをするための部屋です。
勉強や読書をするときに部屋が暗いと目が悪くなりますし、着替えをするにしても洋服の色やデザイン、ボタンの位置がハッキリ見えるだけの明るさが必要です。
オシャレを優先して間接照明やペンダントライトだけにしてしまうと、部屋全体の明るさが足りなくなるし、安全面からもおすすめとはいえません。
子供が小さいうちは、部屋の中を走り回ったり飛び跳ねたりと、かなりダイナミックな遊びをすることがあります。
ペンダントライトだとベッドの上で飛び跳ねたときに頭をぶつけるかもしれませんし、低い位置に間接照明があると、走り回ったときに足を取られて転倒するかもしれません。
子供は好奇心がとても旺盛。とくに小さいうちは、珍しいものには敏感に反応します。
凝ったデザインの照明も掃除や手入れに手間がかかるため、子供部屋に向いているとはいえません。どうしても凝った照明にするなら、子供の手が届かない場所に設置するなどの工夫は絶対に必要となります。
明るくて安全な子供部屋にするときにおすすめの照明が、部屋全体をまんべんなく照らしてくれるシーリングライトです。明るさは自然光に1番近いといわれる昼白光がいいと思います。
時間帯に合わせて色調を調節できるタイプなら、睡眠のために体内時間を調整するのにも便利です。
夜に勉強や読書をするときのために、スランドライトも置いてあげるのもいいでしょう。
ガラスタイプのシェードは、落として割れたときにケガをする恐れもあるので、プラスチックやアクリルなど衝撃に強く割れにくいものを選びましょう。
また、昔からある白球は熱を持ちやすく、手で触れると火傷をすることも考えられるので、熱を持たないLEDがおすすめ。電気代の節約にもなるので一石二鳥です。
子供が夜中トイレに起きたときのことも考えて、歩くときに引っかからないタイプのフットライトも用意しておきたいところです。
熱センサーや人動きを感知するセンサーが付いたタイプがおすすめ、廊下にもつけておけば、途中で転ぶ心配もありません。
2.明るさ・安全を配慮したオシャレ照明
子供部屋の照明をオシャレにするなら、シーリングライトはそのままにして、補助的な照明をオシャレなものに変えてあげるといいでしょう。
机に置くスタンドライトをオシャレなデザインのものにしたり、子供の手が届かない高さにペンダントライトやシャンデリアを吊るしたりなど、工夫次第でどれだけでもオシャレな照明にすることはできます。
シェードは地震が起きときなどに落下しないよう、軽めのタイプを選んでおきましょう。
お子さんが小さいうちは、灯りを消したとき、壁や天井に夜空が浮かび上がるプラネタリウムのようなタイプも喜んでくれるでしょう。
照明を選ぶときのポイントは、あまり複雑なデザインの照明にしないこと。子供があまり掃除をしないときや、親もなかなか手が回らないときなど、照明にホコリが溜まってしまい不衛生です。
特にアレルギーのある子どもであれば、なおさら部屋を清潔に保つことが必要です。
シンプルなデザインでも、シェードの色や素材にこだわれば、見た目の印象はかなり変わります。
最近は、カラフルなプラスチックシェードや和紙素材のシェードなど、オシャレな商品が数多く登場しています。
明るさ・安全という条件をクリアしつつ、オシャレな照明を選んであげてください。
今日のまとめ
子供部屋は、子供がただ寝るだけの部屋ではありません。自立心や責任感を身につけ、健やかに成長するための大切な空間です。年齢や性格、兄妹がいるかによっても子供部屋のあり方は変わっていきます。
どれくらいの広さが必要なのか、子供が成長したり独立したりしたときに子供部屋をどうするのかもしっかり考えておかないと、あとで後悔することになりかねません。
また、子供が安心して暮らせるように「安全であること」はもちろん、照明器具ひとつにも配慮が必要です。
子供にとってどんな部屋が理想なのかを真剣に考え、後悔のない子供部屋づくりに取り組んでください。