フローリング材にオークを使うときに知っておきたいこと
フローリングを無垢材で仕上げるとき、最初に候補に挙がるのはオークだと思います。
オークは木目がはっきりしているのが特徴で、独特の重厚感があり、フローリングの合板にも良く使われており、床材としては馴染みのある素材と言えます。
オーク材は、近年では注文住宅の建材として無垢材が人気であり、その中でも採用されることが多い無垢材です。
オークってなに?
特定の樹種ではなく、ブナ科コナラ属の樹種を総称してオークと呼んでいます。
オークと呼ばれる樹脂は、全部で数百種以上にのぼり、亜熱帯から亜寒帯まで北半球全域に広く分布しています。
日本では落葉樹に属するコナラをナラ(楢)、状陽樹はカシ(樫)と呼んでいますが、基本的にオークといえばナラを指していることが多くなります。
オークが持つ特徴とは
オークは、昔からワイン樽やウィスキー樽、船舶の材料として幅広く利用されています。利用方法からも分かる通り、オークは他の樹種と比べ耐久性と耐水性が高い無垢材です。
また、価格も無垢材としてはリーズナブルであり、採用しやすい無垢材と言えます。
加工性と耐久性のバランスも良いため、利用できる幅が広いのも特徴です。
落ち着いた木目で、素地は淡いグレーに近い色合いになります。表面の仕上げ方でシックな雰囲気を醸し出してくれるので、飽きがこず長く目を楽しませてくれるでしょう。
無垢材と合板のフローリングの大きな違いは、耐用年数の長さです。
合板フローリングは、床下の環境によって多少変わりますが、だいたい15~20年で湿気により接着剤が劣化してきます。それが原因で浮いたような感触になることが多く、張り替えや重ね張りなどのメンテナンスが必要になります。
それに対して、無垢材のフローリングは初期費用こそ高いですが、適切な環境で適度に手入れをしていれば、半永久的に張り替えなどのメンテナンスを必要としません。
特にオークは、無垢材の中でもデメリットが少ない無垢材です。
あえて挙げるとしたら、柔軟性が低いため、無垢材特有の柔らかさや温かみを感じにくいことぐらいです。
ただ、柔軟性が高い無垢材は、それだけ傷つきやすくなります。これを味わいと感じる人も多いですが、傷が気になるという人はオーク材を採用すれば良いかもしれません。
ナラとの違いは?
良くオークと比較されるナラですが、実際にはナラもオーク材に含まれます。
「ナラ材」と「オーク材」は厳密に言えば同じオーク材ですが、主に産地の違いで2種類に分けられています。
日本やロシア産のミズナラから取れた木材は「ナラ材」と呼ばれます。日本の比べ、ロシア産のナラ材は目が詰まっており、良質な木材として人気があります。その他の産地で取れたミズナラが「オーク材」と呼ばれます。
近年良く使われるオーク材に、北米で採れるナラの仲間であるホワイトオーク材があります。ナラ材とホワイトオーク材は見た目にほとんど違いはありませんが、ホワイトオーク材はナラ材に比べ若干目が粗くなります。
これまで日本の木材業界では、評価が高いロシア産のナラ材が多く使われてきました。ただ、ここ数年はロシアがナラの輸出を制限していること、ナラがワシントン条約の認定を受けたこと、関税が高くなったことなどを受け、流通量が減っています。
そのため、日本国内でも供給量が減り、価格が高騰しました。そこで代わりに注目を集めたのが、北米産のホワイトオーク材です。
北米産のホワイトオーク材は産出量が多いため、今後は日本国内でもシェアを拡げると予想されています。
今日のまとめ
ブナ科コナラ属に属する樹種を総称してオークと呼びますが、基本的にはミズナラを指しています。
高い耐久性・耐水性を誇りながらリーズナブルで、コスコパフォーマンスに優れた無垢材と言えます。
そのため、日本の住宅でも床材として最も採用されています。