住宅の寿命は間取りで延ばす
間取りの家の寿命は変わります
家を建て替えるというのは、金銭面での負担はもちろんですが、住まいの環境が変わるという精神面での負担にもつながるので、できるだけ永く住める住宅がいいといえます。
一般的に永く住み続けられる住宅とは、耐久性能が高く、経年劣化を防ぐためにもメンテナンスがしやすいことなどが特徴として挙げられます。
ただ、この条件を満たせば家は永く存在するかもしれませんが、家族が生活し続けれるかは別の話です。
欧米と比べて日本の家の寿命は短いといわれているますが、寿命が短いのは家の物理的な問題だけではないのです。
快適な家こそ永く続く家です
日本での住み替えを検討する1番の理由が「「快適・便利な住宅にするために住み替えたい」です。
このことからも分かるように物理的な問題で住み替えるのではないので、頑丈な家を建てたとしても、その家が快適で便利でなければ永くは住まなくなるというわけなのです。
なにが「快適」であるかは、住んでいる人の生活スタイルや感性によって変わってきます。まずは大多数が家の快適さに挙げる「断熱性能」もある程度高いものが求められます。
そして「便利」さに関しては、家の必須設備であるキッチン・給湯器・浴室・トイレなどに依存する部分が大きいでしょう。
このような設備は性能の進化が早いので、現在使う設備を交換できるような設計思考を持っておくことが重要です。
日本で住み替えをする2番目の理由は「高齢でも快適な住居環境にするため」で、3番目の理由は「子どもが誕生したときと、成長しても問題ないように」するためのとなっています。
長い人生の中で高齢時期と若年時期の最低でも2回は生活環境・生活スタイルが大きく変化するタイミングがあります。
その変化の前後で今までの家の間取りでは生活スタイルが合わなくなってしまうのです。
最初に家を建てるときに理想だと思っていた間取りでも、子ども成長で部屋数が足りなくなる、逆に最初に部屋を多めに用意していたら、子どもの独立で使い勝手が悪い部屋が残り、
手入れや掃除に手間がかかってしまう場合もあります。
要するに家を建てるときにに一生懸命間取りを考えるからこそ、使う場面が限定されてしまい永く使うことが出来ない家になってしまうということです。
例えば、子どもが小学生のときに用意した子ども部屋も、お子さんが高校生くらいまで成長したら、そのままの形では使いにくくなります。
そしてその子どもが成長をして独り立ちして家を離れた場合は、その部屋は誰が使うことになるのでしょう。
一緒に生活をしていく家族は成長をし続けて、その結果生活スタイルも変化し続けていくでしょう。
このように家族の環境は変化し続けるので、今に合わせて家を考えても10年後、20年後の家族の暮らしには合わなくなり、家の耐久性の問題ではなく住んでいる人の変化に応じて間取りを変えるために立て替えを行うことが主流になってきているようです。
変化し続ける家
日本の家の寿命が短い理由は家族の生活スタイルに適応できないことで「快適さ」が当初考えていたものよりなくなってきたことと、変化の早い設備関係の「便利さ」がなくなってくることによるところが大きくなっています。
また最初に間取りを作りこみすぎると家族の成長に適応できなくなることもあるります。そこであえて「間取りは最初から作りこまない」というのも選択肢の1つとなります。
長い年月変化しない頑丈で断熱性能の高い骨格を使用し、間取りや設備はその時期の家族や最新の機器に合わせて変更し続けるという考え方です。
断熱性、耐震性、耐久性などの骨格の部分は使い続けて、間取りや設備は暮らしの変化に応じて使いにくくなれば、その時の暮らしにあわせて変化を続けることで、暮らしやすい家であり続けることができるはずです。
住んでいる人の生活スタイルを家にあわせるのではなく、その時の生活スタイルに家を合わせていくという考え方がこれからの家づくりには必要なのです。