『気持ち良い風が吹き抜ける注文住宅』を実現する窓の配置
窓は採光だけでなく、風通しの良さにも直結する住宅設備の中も重要度が高いものの1つです。快適な空間づくり、過ごしやすい間取りを実現するには、窓の配置はしっかり計画を立てなければいけません。
建築基準法でも、居室には必ず窓を設けて床面積の1/7以上の採光を確保しなければいけないと定められており、窓のない居室は居室と認められず、納屋やサービスルーム扱いとなります。
今日は、「気持ちの良い風が吹き抜ける注文住宅」を建てるためのまどの配置について説明したいと思います。
窓はひと部屋に2つが基本
風通しを良くして部屋の空気を入れ替えやすくするには、最低でも1つの部屋に2つの窓を設ける必要があります。窓が1つしかないと、風が通り抜けないので空気がうまく循環しません。
室内に空気の通り道をつくる1番良い方法が、2つの窓が向かい合うように配置する方法です。ただ、立地条件や周辺環境によっては、対角線上に窓を配置するのが難しい場合もあります。
特に住宅密集地では、大きな窓を設けるとプライバシーの保護が難しくなりますし、防犯面の不安も残ります。
そのような場合に有効なのが、通風用の小窓を設ける方法です。たとえばですが、人が通れない幅しかない片開きの細長い窓なら、外からの視線が気にならず、防犯面の不安も解消されます。
この窓を上下に2ヵ所設置して窓の開く方向を交互にすれば、風通しがかなり良くなります。室内に空気の通り道をつくれば、いつでも新鮮な空気を取り込むことができるでしょう。
室内の風通しを良くすることで空調費の節約にもつながるので、ぜひ風通しを考慮した窓の配置を検討してほしいと思います。
ライフスタイルにマッチした窓の方角
窓の配置を考えるとき、方角まで考えている人は少ないのではないでしょうか?
地域によって風の流れは異なり、土地の高低差や周辺環境にも影響されるので、一概にどの方角に窓を設ければ良いとはいえません。
そのため、窓の配置を考えるときは、専門家に土地の状況を見てもらったうえでプランを立てることをおすすめします。
一般的には窓は南北に設けるのが良いといわれています。夏は南寄りの風、冬は北寄りの風が吹きやすいため、南北に窓を設けることで上手に風を取り込みやすくなるというわけです。
南北に窓を設けるのが難しいなら、東に大きな窓、西に小さな窓を設けるのがおすすめです。
東の窓からは朝日と涼しい風を取り込みやすくなりますが、夏は暑くなりやすいので、日射熱を遮る機能を持ったガラスを設置しましょう。
西の窓は西日が差込むため、細長い窓にするなどして西日をカットする工夫が必要です。
ここでは一般的にいわれていることを紹介しましたが、前述したように風の流れは地域や周辺環境で変化します。実際の住環境を考慮したうえで、慎重に窓の配置場所を検討してください。
最上階に小窓を設ける
近年、限られたスペースを有効活用するため、ロフトを設けるプランの採用が増えています。
ロフトを設ける際に気をつけたいのが、断熱対策や通風についてです。ロフトは屋根からの熱が伝わりやすい空間のため、この2つをしっかり考えておかないと、夏場は暑すぎて使えないということになりかねません。
熱を逃すには、南側に大きな窓を、北側の壁上部に小窓を設ける方法がおすすめです。
さらに住宅の中心に吹き抜けをつくり、1階に南窓、ロフトに北窓を配置することで、住宅全体の風通しを良くすることができます。
吹き抜け上部にも窓を設ければ採光を高めることができるので、住宅内を明るくすることができます。
間取りの関係で北側に窓を設置できないなら、吹き抜け天井にトップライトをつければ、外からの風を取り込みやすくなります。