賃貸併用住宅

一部賃貸を前提として注文住宅

注文住宅をつくる選択肢の1つに、自宅の一部を賃貸部分を取り込む『賃貸併用住宅』があります。

資産運用に注目が集まっていることもあり、ハウスメーカー、建築会社、不動産会社なども積極的に提案をしています。しかし、単に金銭面での負担を軽減するためだけに併用住宅を計画することは危険です。

賃貸併用住宅は、金利の変動や不動産市況を取り巻く環境の変化で、当初の計画が大きく変わってしまうリスクが隠れているのです。

また、建築当時は最新にニーズを捉えていて、時間の経過とともに建物は古くなっていきます。さらに、こんどの市場動向として競合が次々と現れることが予想されるため、相対的に競争力も低下していきます。

賃貸併用住宅の建築は事業として捉えるべきであり、最終的なリスクはオーナー自身にかかってきます。不動産賃貸業者、設計事務所、建築会社、ファイナンシャルプランナーなどの専門家の助言を受けながら、将来的な不安要素も考慮したうえで、主体的に計画を進めることが重要です。

なお、土地を取得してから賃貸併用住宅を計画する場合は、高い家賃が見込めかつ賃貸ニーズが見込めるエリアでない限り、事業収支計画が成立することはほとんどないと思ってください。

計画のポイント

賃貸併用住宅を建てる目的を考える

計画を実行に移す前に、なぜ賃貸併用住宅を計画する必要があるのかをよく考えましょう。当初は住宅の建て替えがメインだったにも関わらず、いつの間にか計画が必要以上に大規模になっている人も少なくありません。

目的がローンの軽減なのか、事業しての採算性なのか、税金対策なのか、どこに軸を置くのかを常に考えて計画を進めていくことが重要です。

また、賃貸併用住宅では、プライバシーの問題が少なからず立ち上がります。賃貸部分との接点を少なくして独立性を確保できる間取りを考えることが重要です。

さらに、賃貸併用住宅は、戸建て住宅とは異なる建築上の制限もあります。敷地に空き地を設けたり、2方向の避難経路を確保する必要があり、場合によっては動線や開智に影響が出て、本来の目的である「住みやすい、自分のイメージ通りの住宅を建てる」ことに悪影響が出る可能性もあります。

地域の需要を把握する

賃貸併用住宅を建てるにしても、建築を予定している地域に需要がなければ、ビズネスとして成立しません。その地域の特性を把握し、需要があることを確信したうえで計画を進める必要があります。

また、現在の賃貸物件の動向や入居率の悪い物件の傾向も把握する必要があります。入居者は必ず複数の物件を候補に挙げたうえで物件探しを行うので、ライバルとなる物件より明らかに優れている要素を備えておく必要があります。

これらの特徴や傾向を把握するためにも、その地域の入居者や物件を把握している地域の不動産賃貸業者から助言をもらうと良いでしょう。

事業計画は綿密に

賃貸併用住宅は、普通の戸建て住宅を建てるよりコストが増えるため、一般的に借入金が大きくなります。戸建て住宅を建てる場合に比べコスト面でのリスクが大きくなるので、それだけ綿密な事業計画を立てる必要があります。

条件にもよりますが、賃貸併用住宅を建てると相続税、固定資産税、所得税などの節税効果が期待できます。この効果を得ようとすると、さらに綿密な計画と経験が必要となりますので。税理士などの専門家の協力のもと計画を進める必要があります。

また、銀行から融資を受ける場合は原則として住宅部分の面積が総面積の半分以上なければ住宅ローンの利用ができません。

住宅ローンと事業性の高いアパートローンとでは適用される金利等の条件が異なるので、事前にしっかり確認しておきましょう。

賃貸事業に携わった経験があるファイナンシャルプランナーや税理士と相談しながら、事業計画を立てるといいでしょう。

2018年7月27日タイプ別注文住宅注文住宅