建築基準法に基づいた「中間検査」とは
中間検査とは
建物が完成すると、外から目視で確認できなくなり箇所があります。
過去に起こった大地震の際には、この目視できない部分の施工不備による建物被害が多かったことから、施工途中の検査の重要性が改めて見直されました。
これを受けて、安全な建物の実現と質の向上を図るための「中間検査制度」を設けた改正建築基準法が施工されました。
建物を新築する際の中間工程のことを「特定工程」と呼び、この特定工程が終了した時点で検査を受けることが義務付けられています。
この中間検査に合格しない限り、次の工程に進めないようになっています。
この特定工程の対象建築物は全国共通ですが、都道府県や市区町村が特定工程を指定している場合はあわせて適用されます。
中間検査が必要な建物
中間検査は建築基準法に基づく特定工程のほかにも、都道府県や市区町村が独自に定めた特定工程があります。この特定工程を有しない建物に関しては、中間検査の必要はありません。
「対象建築物」
階数が3以上である共同住宅の床及びはりに鉄筋を配置する工事の工程。
「特定工程」
2階の床及びこれを支持するはりに鉄筋を配置する工事の工程。
「後続工程」
2階の床及びこれを支持するはりに配置された鉄筋をコンクリートその他これに類するもので覆う工事の工程。
※これらの他、都道府県や市区町村ごとに指定する工程が異なります。
中間検査の流れ
申請
検査の対象となる特定工程を有する建物は、特定工程にかかる工事が終了してから4日以内に中間検査申請をする必要があります。
<申請者>
建築確認申請を同様に、申請者は建築主になりますが、実際にはほとんどの場合、工事監理者となり工務店や設計事務所、ハウスメーカーが代理人となって申請を行います。
<提出先>
所定の中間検査申請書を提出します。提出先は都道府県や市区町村の建築主事または民間機関である指定確認検査機関となります。
検査の実施は、申請を受理した日から4日以内に行うことが建築基準法で定められていますが、検査希望日時がある場合は、事前に相談や予約すると良いでしょう。
検査
都道府県や市区町村または指定確認検査機関が現場を訪れ、目視や寸法測定などを実施し、確認申請時に添付した設計図書に沿って施工が行われているか、安全性が基準を満たしているかを検査します。なお、検査時には工事監理者の立ち合いが求められます。
中間検査合格証の交付
建物が申請内容と適合し、かつ設計図書通りに施工されているという確認ができたら、中間検査合格証が交付されます。
不適合と判断された場合は、是正または計画変更の手続きをする必要があり、これが完了しない限り、次の工程に進むことはできなくなっています。
申請手数料(検査手数料)
申請手数料は申請先や延床面積によって異なります。また、建築確認申請の提出先とは別の検査機関に申請する場合は、金額が割り増しで設定されている場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
中間検査の申請を行わなかった場合に課せられる罰則
中間検査の申請を行わず、検査を受けない状態で特定工程後の工事を行う、または求められた是正を行わずに施工を進めた場合、建築主は懲役または罰金が課せられ、それらに関わった業者も懲役または罰金、業務停止、免許取り消しなどの処分を受けることがあります。