注文住宅をハウスメーカーで建てるメリット・デメリット

ハウスメーカーが持つメリットとデメリットは

住宅展示場に商品を出展したり、テレビCMに出ている住宅メーカーは、一般的には「ハウスメーカー」として一括りにされます。しかし、実際には下記のような特徴が大きく異なる会社が混在しています。

・企画・工業化住宅を全国販売している「大手のハウスメーカー」
・地域工務店が発展し、全国規模で住宅を販売するようになった企業
・フランチャイズ化して全国展開している会社

地域工務店が発展した企業やフランチャイズ化した企業の持つ特徴は「工務店」に近いものになっています。規格・工業化した住宅を販売している「大手ハウスメーカー」とは別物と考えたほうがいいでしょう。

ここでは、「工業化(プレハブ化)または建築資材の一部を規格化することによって、注文住宅の大量生産を全国規模で行っている企業」をハウスメーカーとして定義して、ハウスメーカーで注文住宅を建てるときのメリット・デメリットをご紹介します。

コスト面

ハウスメーカーとは、高品質な住宅を低コストで大量生産するために考え出された形態のため、原価としてのコストは非常に安いといえます。

ただし、ハウスメーカーとしては事業構造的により多くの住宅を販売する必要があるため、工務店や建築家に比べて広告費や展示場の設営・維持、人件費に多くの経費を投入しています。

そのため、価格面では工務店や建築家に対して絶対有利とはいえない状況なのがほとんどです。

また、ハウスメーカーの規格内でおさまる住宅は高いコストパフォーマンスを期待できますが、規格を外れれば外れるほど建築コストが上昇するのが特徴です。

規格を外れる原因としては、建て主の要望の他にも、前面道路の幅や敷地形状、高低差などの立地条件による影響があげられます。

特に都市圏の狭小地や不整形地などは、斜線制限や近隣との調整によって建物の形が複雑になりやすく、結果としてコストが上がりがちです。

よって、「広く形の整った土地が多い地方では比較的安く、狭く形の複雑な土地が多い都市部では比較的高い」というのが、よく言われるハウスメーカーのコストの特徴といえます。

なお、ハウスメーカーが「坪○○万円」と表示しているのは本体価格のみの価格であることが多く、多くの工務店や建築家の表示方法とは異なるケースがありますので、最終的なトータルの見積もりを比べてみないと単純比較はできません。

設計とデザインの自由度

規格住宅の販売を前提としているハウスメーカーに注文住宅の建築を依頼しても、設計の自由度はあまり望めません。

規格住宅である以上は、ある程度の自由度の制限は仕方ないといえます。

ただし、ほとんどの建て主にとってはハウスメーカーが対応可能な範囲で十分なことが多く、設計の自由度が低いというデメリットはあまり感じられないはずです。

また、大規模なマーケティング活動と開発体制によって、より多くの建て主の好みに合うデザインや仕様を用意しています。これらの建材を一括で仕入れることで、比較的コストパフォーマンスは高くなります。

ハウスメーカーの本質は、住宅を規格化・工業化することによって量を売り、コストを下げることにありますので、ある程度の自由度や個性は犠牲にせざるを得ない要素であり、そのトレードオフの関係を理解してこそハウスメーカーの家のメリットを享受できると言えます。

品質の水準が高いのは大きな魅力

ハウスメーカーは基本的に規格・工業化された住宅を販売しているため、現場での施工精度のバラつきは少ないといえます。

特に大手ハウスメーカーの場合、欠陥住宅や手抜き工事が発覚した際の社会的影響が非常に大きいため、そのリスクを負ってまで手抜き工事を行うのは割に合わないのです。

一方で、欠陥住宅を防ぐためには「監理」を厳密に行うことが重要です。しかし、通常はハウスメーカーの住宅の施工は提携工務店と呼ばれる下請け工務店が行い、基本的に仕様が決まっているため、一度それを工務店が覚えれば厳密な監理はせずとも失敗はない、という慣れや油断が生じがちです。

実際、ハウスメーカーの欠陥住宅は総体的に少ないといえますが、油断や過失からの欠陥住宅が報告されることもあるので、ハウスメーカーで注文住宅を建てる際には、どのような監理体制を敷いているのか確認するほうがいいでしょう。

瑕疵保証

施工者は、品確法によって竣工後10年間の瑕疵保証や、住宅瑕疵担保履行法によって資力確保措置(瑕疵保険への加入または保証金の供託)が義務付けられており、これはどの住宅会社でも変わりません。

しかし、大手ハウスメーカーは上場企業も多いため、保証期間内に会社が消滅してしまう可能性が低く、比較的安心して長期の保証を期待することができます。

また、20年保証、30年保証など、ハウスメーカーによっては法的な義務以上の保証期間を独自に設けている場合もあるので、依頼を検討しているハウスメーカーがどのような保証体制を持っているのかも検討材料に加えるといいでしょう。

ローンが組みやすい

金融機関にとって、住宅を大量に扱うハウスメーカーはいいお客様ですし、住宅ローンとの相性もいいため、工務店や建築家と比べてスムーズにローンを組むことが可能です。

また、グループ内に金融機関があるハウスメーカーもありますので、最もローンの組みやすい依頼先といえます。

ただし、最近の融資審査では、借りる本人の信用力により比重が置かれますので、最終的に借りられるかどうかはあくまでも建て主本人の信用次第ということになります。

2018年7月27日ハウスメーカー注文住宅, 建築会社選び