注文住宅の土地探し
注文住宅の土地探しの方法
注文住宅の土地がなかなか見つからないという人の多くは、土地の探し方を間違っている人がほとんどです。
しかし、土地の正しい探し方を不動産会社に尋ねても答えてくれる会社はほとんどありません。なぜなら、口頭で説明するよりも、実際に土地を案内して「100%希望に適った物件がない」ことを認識してもらった方がずっと手っ取り早いからです。
非効率な土地探しに陥らないためにも、土地探しを始める前に、効率の良い土地の探し方を勉強しておきましょう。
下準備
土地の相場を知る
土地探しの第一歩は地域の相場を知ることから始まります。
まず、インターネットや雑誌などを利用して、希望の地域の相場を調べてみましょう。エリア全体を俯瞰で見て、どれくらいの価格が多い地域なのかを調べてみます。
もし他の土地よりも面積の割りに価格が高い土地があったら、どこかに好条件の要素があるはずです。恐らく、「道路が比較的広い」、「駅に近い」、「土地の形が整っている」、「間口が広い」、「方角が南、東向き」、「容積率が高い」など、価格が高くなる要素が読み取れるはずです。
逆に安い価格の土地があった場合には、「建築条件が付いている」、「路地状敷地など敷地形状が良くない」、「土地の一部に傾斜がある」、「高低差がある」、「再建築できない」など、価格が安くなる要素が読み取れるはずです。
こうして、その地域で平均的と思われる価格帯がどの程度なのかを調べ、まず、その地域で土地を探すことが現実的なのかどうかを検討してみましょう。
また、当初はその土地に固有の条件は考えず、希望する地域の相場が「坪100万円程度なのか」、「坪200万円以上でないと難しいのか」といったおおよその目安を立てることから始めましょう。
予算に応じて計画を修正する
「一生懸命に土地探しをしているのに、なかなか情報が入ってこない」ということにならないためにも、この段階で、予算に応じた計画を立てておくことが大事です。予算より希望地域の相場が高い場合は、探す地域が現実的でないのかもしれません。
希望地域の相場と予算が大きくかけ離れていなければ、不動産会社を訪ねた時に得られる情報量は必ず多くなるはずです。もし、「予算が相場とかけ離れていないのに、希望にあう土地が見つからない」という場合は、「その面積での流通自体が、その地域では少ない」ことに原因があるのかもしれません。
その地域の特性によっては、別の地域では20坪未満の土地がたくさん流通しているのに、その地域ではほとんど流通していないということがあります。
また、20坪~30坪の広さの土地は、60坪や80坪の大きな土地を不動産会社が購入し、それを小さく分割して販売されることが多く、結果として建築条件付き土地で売られることが多くなります。
不動産会社を訪ねる
以下は、不動産会社の特徴を大まかに示したものです。
ほとんどの不動産会社は、以下の特徴を複合的に備えており、必ずしもどれか1つにあてはまるわけではありません。
それぞれの不動産会社の特徴を知り、自分が土地探しを進めていく上で、最も有効なタイプの不動産会社を見つけてください。
大手仲介会社
駅前の一等地にオフィスを構える、テレビCMでお馴染みの不動産会社を思い浮かべてください。
売主と買主の間の仲立ち(仲介)を行うことで得る仲介手数料が主な報酬です。個人の売主からはもちろん、不動産会社から仲介の依頼を受けることもあります。
認知度が高いため、売主からの売却依頼、買主からの購入依頼も多く、最終的に未公開の不動産情報は、販売力のある大手仲介会社に集約される傾向にあります。
売主を探すことに労力を掛けていますので、一般的に言われる「いい土地」の情報を得ようと思えば、大手仲介会社の力を借りるのが得策です。
ただし、買主からの購入依頼も多いだけに、希望の条件と予算のバランスが良くないと、なかなか情報が得にくいこともあります。
中小仲介会社(地場系)
駅前に古くからある、中小の不動産会社を思い浮かべてください。
主にアパートや駐車場の賃貸仲介や管理で報酬を得ているのがこうした不動産会社です。
古くから付き合いのあるアパートや駐車場の地主から、土地の売却依頼を受けることもありますが、物件の数は多いとは言えません。
大手に比べて販売力に劣るため、売主から情報を入手しても販売力のある大手仲介会社に情報を提供したり、最終的には不動産業者間で共有しているデータベースに公開することが多くなります。
探す地域が限られ、時期を急がずじっくり探すという方にとっては、希少な物件に出会える可能性があります。
中小仲介会社(情報系)
ホームページを主な窓口としている中小の不動産会社を思い浮かべてください。仲介手数料を割引したり、土地の調査、インスペクションを行うなど、土地の仲介以外の独自サービスを提供している会社が多いのも特徴です。
売主と買主の間の仲立ち(仲介)を行うことで得る仲介手数料が主な報酬です。個人の売主からはもちろん、不動産会社から仲介の依頼を受けることもあります。
認知度では大手に劣るため、大手と比較すると売主からの売却依頼は多くはありません。
また、不動産会社間で共有するデータベースの情報を元に仲介を行うケースが多いため、大手仲介会社と比べると必ずしも一般的に言われる「いい土地」の情報がたくさん集まるわけではありません。
一般的に言われる「いい土地」が自分には当てはまらないと思う人にとっては、幅広くたくさんの情報を集めることができる頼りになる存在ですが、一般的に言われている「いい土地」を探している人にとっては、すでに知っている情報が多く感じるかもしれません。
分譲会社
土地を仕入れ、綺麗に整形した上で販売したり、購入した土地に建物を建てて、建売として販売するのが主です。
自ら売主となって、土地を購入した時と販売した時の差益で報酬を得ています。売主から直接購入する場合は仲介手数料がかからず、初期費用の負担を減らすことができます。
ただし、建築条件付き土地や建売としての販売を前提としているため、建築条件のない更地の数は多くはありません。
中には建築条件を外すことができる場合もありますので、時期を急がずじっくり探すという方にとっては、希少な物件に出会える可能性があります。