繰り上げ返済で総返済額をカット
繰り上げ返済で総返済額をカット
繰上げ返済とは、通常のローン返済とは別に、まとまった資金を一時金として差し入れて元金を返済することで、内入れとも呼ばれています。
差し入れた一時金、つまり内入れしたお金はすべて元金の返済にあてられます。
そのため、本来かかるはずだった利息が不要となり、総返済額を大きく減らす効果が期待できるのです。
また、繰上げ返済をすると保証料の一部が戻ってくるのもうれしい効果です。
繰上げ返済には2つの方法があり、1つが返済期間を短くする「時間短縮型」で、2つ目が返済期間を変えずに毎月返済額を圧縮する「返済額軽減型」です。
期間短縮型は利息を減らす効果が高い
2つの繰上げ返済のうち、期間短縮型は利息の軽減効果が大きくなります。
少しでも総支払額を減らしたいのであれば、期間短縮型での繰上げ返済をおすすめします。
住宅ローンを借りるときには、毎月返済額を低くしたほうが審査に通りやすくなります。
そのため、年齢を考えれば本来なら短い期間でローンを借りたほうがいいところを、毎月返済額を減らして審査に通りやすくするため、返済期間を目一杯の35年に設定するケースがあります。
仮に35歳の人がこのような借り方をした場合、普通に返済していくと完済するのは70歳にまります。
退職金をあてにせず、定年までに完済するためには、返済がスタートした直後から繰上げ返済をして、返済期間を縮めていく方法が有効です。
返済額軽減型は家計の負担を軽くする
繰上げ返済の2つの方法のうち、返済期間を変えないで、1回あたりの返済額を少なくするのが返済額軽減型です。
返済額軽減型を選ぶと、毎月の返済額を減らすことができるので、家計の負担が軽くなり、毎月のキャッシュフローが改善されます。
利息を減らす効果という面では、期間短縮型に劣る返済額軽減型ですが、実際に住宅ローンを返済していくなかでは、使い勝手がいいことが多々あります。
たとえば、住宅ローンの返済と教育費のピークが重なったときや、収入が減って家計が苦しいときに、それを立て直すにはピッタリの方法です。
特に、返済額軽減型の繰上げ返済を上手く利用したいのは、変動金利や固定期間選択型の住宅ローンを借りている人です。
このタイプの住宅ローンを借りている人は、金利が上昇したら、毎月返済額が跳ね上がってしまうリスクを抱えています。
もしもの金利上昇に備えて、まとまったお金を準備しておけば、毎月返済額がアップしたときにも対応できます。
金利上昇時に、まとまったお金を返済額軽減型で繰上げ返済することで、毎月返済額を抑えられ、金利上昇による返済額アップの負担を軽減できるでしょう。
住宅ローン減税にも対応可能
住宅ローンを借りるときに利用したいものの中に、住宅ローン減税があります。
この住宅ローン減税を受けるためには、ローンの返済期間が10年以上あるという条件をクリアしていなければなりません。
期間短縮型の繰上げ返済を繰り返していると、もともと返済期間が短めの人はいずれ返済期間が10年を割ってしまうこともあるでしょう。
このような場合でも、住宅ローン契約時の返済期間が10年以上であれば、住宅ローン減税は引き続き受けることができます。
住宅ローン減税は12月末の残高の1%が戻ってくるので、年末に繰上げ返済を考えている人は、年が明けてからしたほうが有利になる場合もあります。