注文住宅を建てるとき、概算見積りでは契約しない
概算見積もりとは
概算見積もりは注文住宅の建築工事費の概算金額を示すものです。
概算見積もりは相見積もりなどを比較する際の参考にはなりますが、これだけでハウスメーカーや工務店と工事請負契約を結ぶと、後々トラブルのもとになることもあるので注意が必要です。
概算見積もり金額はハウスメーカーや工務店で異なる
概算見積もりは、ハウスメーカーや工務店ごとに書式や内容に差があります。大手ハウスメーカーでも町の工務店でも概算見積もりの提示はしますが、それぞれで内容が異なるので単純に比較することはできません。
工事項目の記載も大雑把なもので大分類でのみ金額を示すものから、細かく項目や金額を分け、本見積もりに近いものを提出する会社もありますが、これは提示されるまで分かりません。
概算見積もりは相場感を把握する資料として見る
複数社から概算見積もりを提示してもらうことで、早い段階で相場観を把握することができます。
希望する建物の規模・工法・デザイン・間取り・仕様でどれくらいの費用がかかるのか確認しておくことは大切です。
資金計画や初期段階の依頼先選定にも役立ちます。
また、希望していた内容が予算的に実現可能かの判断材料にもなるでしょう。
おおよその価格帯が分かる
概算見積もりをとることで、発注先として考えているハウスメーカーや工務店にどれくらいの工事費を請求されるか把握することができます。
相見積もりをとり比較検討できる
概算見積もりをとる段階では、数社に見積もり作成を依頼します。候補先の施工会社を絞り込んでいない段階では、複数社から相見積もりをとって比較をしましょう。
5社程度の見積もりを取るのが一般的です。多いほど比較しやすくなりますが、あまりに多いと打合せするだけでかなりの時間がかかるので、ある程度数を絞って相見積もりをとるようにしてください。
概算見積もりだけで契約しないで!
概算見積もりの金額は確定した工事費ではありません。
後々のトラブルを避けるためにも、これだけを見て工事請負契約を結ぶことは避けるべきでしょう。
概算見積もりでは詳細な仕様が見えてこない
概算見積もりは細かな仕様まで明確にはされていません。
見積もり提示後に決めていく内容次第で金額は大きく異なっていきます。100万円単位で変化することも珍しくないので、概算見積もりの金額だけ見て安易に工事請負契約を結ばないようにしてください。
概算見積もりで契約=プランを立てずに契約
概算見積もりだけ見て契約することは、建物プランを決めずに契約することと同じです。
概算見積もりだけ提示して契約を迫るハウスメーカーや工務店が多いのですが、これには毅然とした態度で断りの返事をしましょう。
契約を交わしてからでは、施主の交渉力が極端に落ち込みます。
ハウスメーカーや工務店によっては、契約後に設備や仕様のグレードアップを提案して値段をつり上げようとすることもあります。
さらに、契約後に追加工事や内容の変更を依頼したとき、値引き率が小さいばかりでなく、逆に割高の費用を請求されることもあります。
契約前に、仕様やプランをしっかり詰めておくことを忘れないでください。