【注文住宅の壁材選び!】漆喰ってどうなの??
壁材を漆喰にするメリット・デメリット
最近、注文住宅の壁材として、漆喰を採用する人が増えています。
お城のようにピシッとした白の美しさが人気を呼び、自宅に取り入れたいと考える人が増えているのです。
ただし、漆喰は美しい壁を作れる反面、注意しなければいけないこともあります。
見た目だけの美しさに捉われることなく、漆喰が持つ性質を知ったうえで、壁材として採用するか検討してください。
漆喰を壁材にするメリット
1. いつまでも美しい状態が続く
洋室など室内の壁には、一般的にビニールクロスという壁材が採用されます。賃貸の場合はほぼ確実にビニールクロスが採用されているはずです。
ビニールクロスは比較的簡単に貼れるというメリットがありますが、経年による汚れ・剥がれが発生しやすいというデメリットもあります。
そのため、ビニールクロスを採用すると、定期的に張り替えるなどのメンテナンスが必要になります。
これに対し、漆喰は時間による劣化がほとんどなく、美しい状態が続きます。
漆喰の成分である消石灰が静電気を溜め込まない性質のため、ホコリなどが付着しにくく汚れが目立たないため、いつまでも美しい白さを保つことができるのです。
ビニールクロスでも十分きれいな壁に仕上げられますが、住宅は長期間、もしかすると一生住み続けるものです。
時間が経つほどに汚れが目立つビニールクロスは、定期的なメンテナンスを必要とするので、補修などで結果的に費用がかさむ可能性があります。
長い目で見ると、メンテナンスが不要な漆喰は費用面から見てもお得な壁材といえるでしょう。
2. 珪藻土と比べて仕上げが滑らかで美しい
壁材として漆喰とともに採用が増えているのが珪藻土で、多くの施主さんがどちらを選択するか悩む素材です。
珪藻土と漆喰は成分が異なるため、壁材として採用したときの仕上がりも変わってきます。
藻類が化石化して堆積した土が主成分となる珪藻土は、土壁っぽい少しザラザラとした仕上がりに対し、漆喰は滑らかで、美しく真っ白な仕上がりになります。
ここら辺の違いは好みによって分かれますが、漆喰独特の美しい白や滑らかな質感は、何年経っても飽きがこないデザインに仕上がります。
ちなみに、珪藻土は白っぽい色や淡い土色など、いくつかのカラーバリエーションがあり、漆喰とはまた違った味のある壁に仕上がります。
珪藻土を壁材として採用する際の注意点・デメリットなどは珪藻土と漆喰は何が違うの?で詳しく解説しています。
3. 漆喰は基本メンテナンスフリー
漆喰は、経年による変化があまりなく、いつまでも美しい状態が続くという特徴があります。
そのため、基本的にメンテナンスを必要としませんが、もし汚れなどが気になる場合は、漆喰を薄く上塗りすることで壁を壊すことなくきれいにすることができます。
また、軽い汚れであれば消しゴムなどで消すこともできるので、メンテナンスの手間はほとんどかからないでしょう。
4. 調湿作用で暮らしを快適に
漆喰は湿度を調節する「調湿作用」があり、室内の湿度が高いときは水分を吸収し、逆に湿度が低いと水分を放出し、室内を快適な状態に保ってくれます。
また、調湿作用によって空気を通し、ダニやカビの発生を抑制してくれるとても優秀な壁材でもあります。
漆喰を壁材にするデメリット
1. ひび割れが起こる可能性あり
漆喰は季節や天候、気温の影響を受けやすいという特徴があり、特に外壁に採用するとその傾向が顕著になるので注意が必要です。
雨などで外壁が濡れ、それが急激に乾いたりしたときにひび割れが起こる可能性があるのです。
これは漆喰の主成分である消石灰が水分を吸収し、乾燥した際に水分を放出して収縮することで起きます。
そのため、漆喰を外壁として採用するなら、撥水性のある天然成分を混ぜて塗ることでひび割れリスクを抑えるなどの対策が必要になります。
2. 手間と工期がかかるためコスト高になりやすい
漆喰塗は、他の素材と違って「塗る→押さえる→乾かす」という作業が必要なため、仕上げるまでに手間と時間がかかります。
当然ビニールクロス貼りなどと比べ、材料費だけでなく施工費も高くなる傾向があります。
また、漆喰を天井材として使用する場合、上を向いての作業の難しさから平らに塗るのは大変な作業となり、手間と時間がかかる分だけ壁よりもコストが高くなってしまいます。
しかし、施工費用は高くなりますが、基本的にメンテナンスが不要なため、長期的に見ればそれ程気にならないという場合も多くなります。
予算面で無理がないのであれば、漆喰を天井材として選択することも検討してみてはいかがでしょうか?
3. 汚れが付くと目立つ
基本的にはメンテナンスが不要な漆喰ですが、真っ白であるがゆえ、いざ汚れが付くと他の壁材より目立ってしまうというデメリットがあります。
漆喰は水分を吸う性質があるので、特に水分を含んだ汚れは染み込んでしまうので、早めに処置しないと落ちなくなってしまうので注意が必要です。
また、内壁に漆喰を使った場合、スイッチ廻りなど良く触れる部分は手垢汚れが目立ちやすくなります。
もし汚れてしまった場合は、少しの汚れであれば消しゴムで簡単に消すことができます。他にも、細かい紙ヤスリで軽くこする、中性洗剤と白い布で染み抜きをする方法もあります。
外壁は、汚れを含んだ雨、植木、湿気によるカビ、排気ガスなどが付着して汚れやすくなります。
外壁を漆喰にするなら、軒を深く作り、建物の周囲を塀や植木などと適度に離して通風を確保するなどの対策を取りましょう。そうすることで、上で挙げたような汚れを防ぐことができます。
漆喰は、その美しさゆえに汚れが付着すると目立ちやすいということを覚えておいてください。
今日のまとめ
漆喰には真っ白で美しい仕上がり、メンテナンスが不要、住まいを快適な環境に保つというメリットがあります。
反面、ひび割れの可能性、コスト高、汚れが付くと目立つというデメリットも持っています。
漆喰は仕上がりの美しさを求めて採用されることが多い壁材ですが、それだけに汚れ対策はとても大切です。
メリット・デメリットをしっかり把握した上で採用するかを慎重に検討することをおすすめします。